【偏差値70の医大生が教える】数学の勉強法 参考書

2021年10月13日

こんにちは!
現役医学生のりょうです!

医学部に受かる前年は河合塾のマーク模試で数学の偏差値は54でしたが、その1年後の冬には偏差値69になり見事医学部合格を果たしました。

僕が1年間で偏差値を15上げた数学の勉強法を提供します。

多くの難関大学合格者が一番効率がいいと考えている独学のおける参考書での学習を前提としてお話しします。

question
・今使うべき参考書は?
・偏差値60に上げるために使う参考書を知りたい!
・数学の正しい勉強法ってあるの?

このような疑問に答えられるような記事になっています。

数学は特に独学が難しいと思われていますが、正しい参考書や進め方をしていけば決して難しいものではありません。
難しいと感じる原因は無理をして難しい参考書に手を出してしまう人が多いからです。

この記事を読めば自分のレベルではどの参考書を使うべきなどをわかるようになっています。

偏差値70まで到達するために通るべきルートを提示しながらそれぞれの参考書の勉強法を解説していきます。

動画でも参考書ルートを紹介しているので見てください。

数学の参考書ルートの動画

初めて数学を勉強する人〜偏差値50を超えていない人


初めから始める数学シリーズ


やるべき人:初めて数学を勉強する人〜偏差値50を超えていない人
習得すると:偏差値50〜55、共通テスト60〜70%→日東駒専、産近甲龍、佐賀大学、鳥取大学、琉球大学、秋田大学、島根大学などにギリギリ合格できるかどうか。
習得目標:全問題をヒントなしで解くことができる。公式を全て暗記する。

この参考書の基本情報

・問題数

数学1の問題数・・・44題
数学Aの問題数・・・52題
数学2の問題数・・・71題
数学Bの問題数・・・54題
数学3(Part1)の問題数・・・56題
数学3(Part2)の問題数・・・60題



この問題集は教科書の中でも難しい章末問題などは除いた難易度となっています。
また教科書のように基本事項の解説、問題、問題の解説という順番で書かれているので、初学者の人でも進めやすくなっています。
この参考書の解説は人が語っているような表現になっているので、教科書よりもわかりやすいと思います。

問題数は少ないですが、基礎知識を固めるには十分な量になっています。
数学で苦手な分野がある人や初めての分野に独学で挑戦する時には頼りになる参考書になっています。

またこの参考書は1日にどれだけ進むかが書かれているので、1日にどれくらい進めればいいのか迷うことはありません。

使い方

それではこの参考書の具体的な使い方を解説していきます。

まず問題を解く前に解説ページを読んでいきます。
この時に完全に理解するのは難しいと思うので6割くらいの理解で大丈夫です。
基礎事項や公式を数分暗記する時間を作って、それが終わったら問題を解いていきます。
公式が正確に暗記できていればほとんどの問題は解けると思いますが、実際には難しいと思います。
数学で言えば公式の暗記、英語で言えば英単語の暗記などは何回も繰り返すことでようやく長期記憶に保存されます。(「長期記憶に保存される」とは何ヶ月〜何年とその情報に触れていなくても覚えている状態、例えば友達の名前とか)

だからまずは1度だけ暗記した状態を作ります。
これを適切なタイミングで何度も行うことで長期記憶に保存されます。
初めて学んだものは2週間に3回は解き直しや再確認を行いましょう。
医師が執筆している勉強についての本で「アウトプット大全」というものがありますが、そこに2週間に3回以上使った情報は長期記憶に保存されるとあります。
僕の経験や僕の友達(医大生)の意見を聞いても、実際3回では覚えないとは思いますがおおよその目安としてこの考え方を取り入れています。

具体的なペースとしては7日、4日、3日に区切ってそれぞれの日数で同じ内容を1周ずつしましょう。
簡単にいうと2週間で同じ範囲を3周するのですが、少し分かりづらいと思うので図で表すと次のようになります。
「初めから始める数学」が指定している1日に進める量をこれに当てはめてやってください。

参考書の進め方1


「1日2問だったのが8日目には1日4問になってる!無理!」と思うかもしれませんが、1度やった内容をもう1度やる時には時間が短縮されます。
逆にいうと1度やっているのに問題を解くペースや理解にかかる時間が短くなっていない人は1回目の理解度がとても低くなっているので、1度やった問題はしっかりと暗記するクセをつけましょう。

このペースで数学1→数学A→数学2→、、、という風に自分の志望校の出題範囲まで進めてください。

また先に進だけだと数学Aの勉強をしているときに徐々に数学1の内容を忘れていってしまいます。
ですので新しい範囲にプラスして前の範囲の問題も解き直してください。
これもどのようなペースで行うか下に書いておきます。

参考書の進め方2


使用期間
おおよそ数学2Bまでの人で10週間、数学3までの人は14週間になります。
これは1日1〜2時間数学を勉強した場合で考えているので、人によってはもっと早く終わる人おいるかと思います。
特に数学の教科書レベルの勉強をしているということは受験勉強の初期になると思います。
理系大学を目指す受験生は始めの2ヶ月程度は数学と英語のみに力を入れるべきなので、この参考書をしている人は1日3時間程度の勉強時間を取れるのが理想です。


この理由は2つあり、1つ目はいくつかの大学入試において数学や英語の配点が高くなっている場合がある、2つ目は理科に比べて数学と英語は学習内容が多いためです。
受験の合否は入試科目全てで合格最低点を超えるかどうかなので、苦手科目を作らないように心がけましょう。(特に英語と数学)

偏差値50〜55、共通テストやセンター試験を解いて65%前後の人

基礎問題精講 例題



やるべき人:偏差値55、共通テストやセンター試験を解いて70%前後の人
習得すると:偏差値60弱、共通テスト75〜80%→芝浦、東京都市大、東京電機大、工学院、国公立一般。
習得目標 :例題を9割以上の問題をヒントなしで解ける。

この参考書の基本情報

・問題数

数学1A:例題演習ともに150問程度
数学2B:例題演習ともに170問程度
数学3 :例題演習ともに125問程度

武田塾さんなどが推奨している参考書の1つなので知っている人も多いと思います。
偏差値が高い人や多くの先生が「この参考書は簡単すぎる」という評価だと思います。
しかし実際にやり込んで例題演習全ての問題を解けるようになると、偏差値65弱共通テスト90%に到達します。
これは僕や僕の友人の経験なのでブレはあると思いますが、これに近い成績は目指すことができます。

ただしいきなり演習問題まで解こうとすると難しかったり、問題量が多いので途中で挫折してしまうと思います。
ですのでまずは例題を完璧に解けるようにしましょう。

基礎問題精講のメリットを解説します。

1.持ち運びやすい大きさと重さ
網羅性の高い数学の参考書は大きくて重いののが多い中、こんなにコンパクトな参考書はなかなかありません。
参考書を何冊も持ち歩く受験生にとって、これはメリットになります。


2.網羅性が高いところです。
基礎問題精講の問題が全て解ければ、共通テストは90%を超えることができるし、偏差値62〜64に到達します。

多くの人は基礎問題精講を過小評価しており、
「センター試験80%以上を目指している人はもっとレベルの高い参考書を使いましょう」とか「偏差値60以上の人には簡単すぎる」
とか聞くことがありますが、そういう人に基礎問題精講の問題を解かせてみてもせいぜい6,7割くらいしか解けないと思います。

基礎問題精講の例題、演習問題を含めた全ての問題をどの順序でテストしても答えまでしっかりと出せるまで繰り返して学習すれば、共通テストは90%、偏差値62〜64に到達します。


3.網羅性が高いのに問題数が少ないことです。
チャートやFOCUSGOLDなど網羅性が高い参考書はたくさんあります。
しかしそれらは問題数が非常に多いです。
例えば青チャートで言えば1A〜3までのすべとの問題を足すと3000問以上になります。
しかし基礎問題精講は同じく全ての問題を足しても900問程度です。

なんと基礎問題精講は青チャートの3分の1くらいの問題数しかありません!

ただ問題数が少ないだけでは意味がないのですが、基礎問題精講はそれに加えて網羅性も高いのです!
この問題数が少ないことと網羅性が高いことが合わさると無敵です
理系大学志望の全生徒は基礎問題精講をやるべきです。

使い方

この参考書も2週間に3回以上同じ問題を解くことを中心に考えて進めていきます。

「初めから始める数学」などをしっかりと習得していれば独学でも難なく進められると思います。
もし解説を読んでもわからない場合や1問理解するのに20分以上かかる人はまだ知識が足りないので、まずは「初めから始める数学」をしてください。
進め方は上に書いてあります。

1周目は1問20分で理解暗記できる、2周目は15分、3周目は10分、そして数学に1日2時間かけられる、というのを前提に考えていきます。
つまり1日に6問ずつ進めていきます。

・1周目の進め方

1問20分以内に理解して暗記することを目標にしましょう。
まず最初の5分で問題と解説を読んで理解します。
重要なので強調しますが、最初の1周目は問題をいきなり解こうとしないでください。

注意

始めの1周目は問題を解こうとしてはいけない!

問題文と解説部分が理解できれば次にそれを暗記していきます。
これも5分程度で行ってください。

暗記の方法はシンプルで問題文のみを読んで解法や解くのに必要な公式が言えるか確かめて、言えればオッケーで言えなければもう1度解説を読んでいきます。
大事なのは「言えるか」です。
書いてしまうと時間がかかってしまうので5分では終わりにできないと思います。

例えば因数分解の問題では「この問題を解くためには(x+y)^2=x^2+2xy+y^2の公式を使う」と声に出してください。
もし外で勉強しているなら口パクでも構いません。(マスクしてるから口パクなら誰にも気付かれないよ!)
また計算は口頭では難しいので解法や公式を覚えているかの確認のみで大丈夫です。

そこで暗記が終わったら次にテストを10分以内で行います。
今回はしっかりとノートに書いて答えまで導いて合ってるか確認します。
問題文だけを見て答えまで導けるかを試してみてください。
暗記をうまく行えていれば多くの問題で正答できると思いますが、間違えてしまった問題はその日のうちにもう1度解きましょう。
というより正解できるまで何度のやりましょう!
その日にやった問題は絶対に1度は暗記した状態にしないと積み重ねがないので何周繰り返しても覚えることができません。

以上が1周目で行う具体的な勉強方法です。

・2周目以降

2周目以降は全て同じやり方で大丈夫です。
1周目で全ての問題を1度は暗記した状態になったと思います。
だから2周目以降は問題文だけを読んで答えを導けるかをノートに書いて行います。
1度暗記していても忘れてしまう問題は必ずあります。
解けない問題があっても不安にならないでください。

もし解くことができればすぐ次の問題に移行し、できなかった問題は再度解説を読んで理解しましょう。
そして公式を忘れていた場合は1周目と同じように暗記して、暗記が終わったらもう1度ノートに書いてテストしてみてください。
もちろん完璧に正解するまで何度も繰り返してください。

また「初めから始める」でも言ったのですが、3周したからもうやらない、としてしまうと徐々に忘れていってしまいます。
ですので同じように次の範囲に進みながら1個前にやった範囲も復習していきましょう。

使用期間

数学2Bまでの人で16週間=3ヶ月半、数学3までの人で21週間=5ヶ月弱

偏差値60弱、共通テスト75〜80%の人

基礎問題精講 演習問題



やるべき人偏差値60弱、共通テスト75〜80%
習得すると:偏差値65弱、共通テスト85〜90%→GMARCH、早慶上理下位学部、金岡千広、電農名繊、信州大学、埼玉大学、千葉大学や神戸大学などの大都市圏国公立大学
習得目標 :演習問題などを含めて9割以上の問題をヒントなしで解ける。


GMARCHや早慶などでこの参考書のレベルよりも高い問題の出題がある学校もあります。
しかし実際に合格最低点は基礎問題精講のレベルを全て解くことができれば到達できる場合が多いです。
また数学が極端に難しく作成されていてその代わりに理科の問題がとても簡単な場合もあります。
そのような時には、数学に時間を取り過ぎずに理科に十分な時間を割くことで合格できます。

何が言いたいかというと、このレベルの大学には基礎問題精講が完璧であれば合格は十分可能であるということです。
*ただし過去問演習は必要になってきます。

特に気をつけなければいけないことは、基礎問題精講レベルの問題が解けないにも関わず応用問題集に手を出してしまうことです。

注意

基本問題が完璧でないのに応用問題に手を出すのはダメ!!!

基本が曖昧なのに応用問題集(標準問題精講、やさ理、入試の核心など)を勉強しても時間に対する成果が小さくなってしまいます。
これらの参考書が基本を習得したことを前提にしていて解説が詳しくないのと、基本を習得していると分野が違うものの知識も活用できるため1問学んだだけで数問分に値する知識を習得できるからです。
これを意識せずになんとなくみんながやっているから難しい問題集をやろうとすると失敗します。
例えば1つの図形の問題を解くときに全分野の基本事項を理解していれば様々な解き方をすることができるし、それぞれについての学習にもなります。

応用問題1つで数問分の知識を習得できるの例

もちろんこのレベル帯の大学を目指す人でも応用問題集を習得することで合格可能性は大きく上昇します。
しかしそれは他の科目も含めて基礎を完璧にした後に勉強するようにしましょう。
実際基礎を全教科で完璧にすれば偏差値65程度には到達します。
多くの人が基礎の重要さと難しさを誤解しているのです。
基礎を完璧にする難しさを簡単に説明すると、「入試科目全教科において共通テストで90%以上の得点する」ということです。
これを受験生の何%が達成しているでしょうか?


共通テストは教科書の内容からしか出題されないのにそれを80%も得点できない人が大多数です。
要するに教科書=基礎、基本は非常に難しいのです。
まずは基礎を完璧にすることの難易度を正確に認識しましょう。


使い方

数学に1日2時間かけられる、というのを前提に考えていきます。

例題とは勉強法が異なるので注意してください。
演習問題においては1周目から問題のみを見てノートに解いて合っているか確認します。
これは例題と同じ解法の演習問題が半分以上あるからです。
しかし同じように2週間に3周するようにしてください。

勉強の流れとしては問題を解く→合っているか確認→合っていたら①、間違えていたら②。
①=次の問題、②=解法や公式を解答を見ながら暗記し、その日のうちに問題文だけを見て解けるまで繰り返す

これを1日8〜10問を目指して進めましょう!


これに加えて例題の復習も並行して行なっていきます。
具体的は演習問題に加えて1日5問程度例題を解いていきます。
例題はすでに何度か暗記しているので1日5問でも30分でテスト〜丸つけまでできると思います。


使用期間

1日2時間勉強する人では数学2Bまでの人で2ヶ月半、数学3までの人で4ヶ月。
GMARCHなどでは理科1科目なので数学にかけられる時間はこれよりも多くなると思うので、もっと早く終わると思います。
国公立大学や早慶や医学部では理科2科目必要になったり共通テストでの科目数が多かったりするので、これ以上早いペースで進めるためには1日10時間程度の勉強時間が必要になります。

偏差値65弱、共通テスト85〜90%の人

標準問題精講 例題 A B Ⅲ(微積) 



やるべき人偏差値65弱、共通テスト85〜90%
習得すると:偏差値68、共通テスト90%以上→早慶上位学部、私立医学部、旧帝大、地方国立医学部、東工大
習得目標 :9割以上の問題をヒントなしで解ける。

標準問題精講は問題数も多く難易度も高いので全ての問題を習得するのは難しいと思います。
ですのでまずは入試で特に出題頻度の高い数学A(確率や整数問題)と数学B(ベクトルや数列)と数学Ⅲの微積のみをまずは習得していきましょう。

使い方

この参考書は共通テストで確実に80%を超える人がしてください。
共通テストの模試や試行問題を制限時間を設けて解いてみて80%を超えるか試してみてください。
もしくは基礎問題精講の問題をランダムで出されても85%以上は解ける人もこの参考書に入ってください。

この問題集の進め方は基本的には偏差値50〜55の人に向けた基礎問題精講の例題使い方で説明しているので同じように進めてください。


使用期間

1日2時間かけられる人を前提に考えています。
数学2Bまでの人で6週間、数学3までの人で8週間です。

偏差値68、共通テスト90%以上の人

標準問題精講 例題 全範囲



やるべき人偏差値68、共通テスト90%以上
習得すると:偏差値70、共通テスト95%以上→首都圏国公立医学部、慈恵や順天堂大学などの私立上位医学部、東大、京大
習得目標 :9割以上の問題をヒントなしで解ける。

上で紹介したものの続きです。
具体的には数学ⅠやⅡやⅢの微積以外です。

使い方

まずは入試で出題頻度の高い数学A(確率や整数問題)と数学B(ベクトルや数列)と数学Ⅲの微積を習得して、それでもまだ時間がある人が手をつけてください。
この問題集の進め方は基本的には偏差値50〜55の人に向けた基礎問題精講の例題使い方で説明しているので同じように進めてください。


使用期間

1日2時間かけられる人を前提に考えています。
数学2Bまでの人で8週間、数学3までの人で12週間です。