【偏差値70現役医学生が教える】物理の勉強法 参考書
こんにちは!
現役医学生のりょうです!
医学部に受かる前年は河合塾のマーク模試で物理の偏差値は53程度でしたが、その1年後の冬には偏差値71になり見事医学部合格を果たしました。
僕が1年間で偏差値を18上げた物理の勉強法を提供します。
多くの難関大学合格者が一番効率がいいと考えている独学での参考書の学習を前提としてお話しします。
理科の選択について注意すべきことがあります。
私立大学では理科の選択が1科目または2科目になります。
化学を選択する人が圧倒的に多いと思いますが、その理由はクセがないからです。
生物は暗記、物理は計算や理解が大事な科目です。
化学はその中間といった形で無機は暗記、理論は理解と計算、有機どちらもって感じです。
その中で物理を選択すると成績が上がりやすい人は、ズバリ数学が得意な人です。
勉強の進め方が非常に数学に近く、また高い計算能力が必要になるからです。
以上のことを参考に理科を選択してください。
偏差値70まで到達するために通るべきルートを提示しながらそれぞれの参考書の勉強法を解説していきます。
動画でも参考書ルートを紹介しているのでぜひ見てください。
初めて物理を勉強する人〜偏差値50を超えていない人
宇宙一わかりやすい高校物理
・やるべき人:初めて物理を勉強する人〜偏差値50を超えていない人
・習得すると:偏差値55、共通テスト70%→日東駒専、産近甲龍、佐賀大学、鳥取大学、琉球大学、秋田大学、島根大学など。
・習得目標:全問題をヒントなしで解くことができる。原理原則を説明できる。
この参考書の基本情報
・問題数 :力学編→68問、電磁気編→92問
・章数 :力学編→16章、電磁気編→14章
・ページ数:力学編→508ページ、電磁気編→600ページ
宇宙一わかりやすい高校物理は原理原則から問題の解き方まで非常にわかりやすく解説している参考書です。
解説には文字とイラストどちらもあるので、論理的にも視覚的にも記憶に残るように設計されています。
左ページに文字での解説が文字で、右ページがイラストでの説明になっています。
イラストがあることで物体の運動がイメージできるようになったり、目に見えない磁場なども理解しやすくなります。
左ページの文字での解説に加えて右ページのイラストも見ながら読み進めると、右脳的にも左脳的にも記憶に残りやすくなります。
少し詳しく説明すると、言語など意味を記憶するときは左脳を使い、絵やイメージなどの記憶には右脳を使います。
そして右脳は左脳よりも記憶に残りやすいと言われています。
また左脳だけでなく右脳での記憶をしておくことで、どちらかで忘れてしまってももう一方で覚えている状態を作ることができます。
別冊問題集が付いていて、基礎的な問題はほとんど網羅されています。
解説も充実しており、もしわからない時は本書に戻って基礎事項が確認しやすいようにページ数も書いてくれているので、いちいち探す手間が省けます。
使い方
さて、具体的な使い方を説明していきます。
前提として力学波動編が終わったら電磁気編へと進んでいきます。
まずは本書の方の基本事項の解説を読みます。
もちろん左ページも右ページも両方読みます。
この時にできれば音読を、もしできなければ口パクで文字を追っていくと理解が深まります。
そしてある程度進めていくと別冊の問題を解くように促されます。
しかし問題は解かずに講義部分を読んでいってください。
問題は講義部分をある程度理解していないと解けないのでまずは理解を優先しましょう。
これを2週間で3周してください。
医師が執筆している勉強についての本で「アウトプット大全」というものがありますが、そこに2週間に3回以上使った情報は長期記憶に保存されるとあります。
これをすることで短期間に何度も同じ情報に触れることになるので、長期記憶に定着しやすくなります。
またいきなり問題を解いても考える時間や思い出す時間が多くなっていしまい非効率な時間の使い方になります。
この2つの理由からまずは読むことに徹し、回転数を増やします。
力学編では500ページあるので、1日100ページほど読まなくてはなりません笑
しかし半分はイラストであり、また目次などを含むので見開き1ページを3分で読むペースで行えば2時間で終わります。
文字数もとても多いというわけではありせんから、サクサク読めると思います。
また3周読む間になんとなくわかればいいので、じっくり時間をかけて理解しようとは考えずにスピード重視で読んでいってください。
これが終わったら次の3週間で別冊問題を問題文だけ読んで解答を作ることを2周します。
要するに皆さんが考える”問題を解く”ということです。
それで2周目で間違えた問題はチェックして後でどこが間違えた問題かわかるようにしてください。
このような進め方を力学編でやって終わったら電磁気編でも同じことをします。
しかし電磁気編に入ったら、最初の2週間(読みに徹する期間)の間に力学編で間違えたというチェックをした問題を1周してください。
電磁気編で上記のやり方、期間で終わらせたら最後に2冊両方の別冊問題の問題を改めて1周します。
これを3週間で行ってください。
この時間違えた問題はチェックして後でどこが間違えた問題かわかるようにしてください。
1度間違えた問題にチェックをつけたと思うのですが、2度目と区別できるようにマークを変えるなどしてください。
月に1度は2度目の間違えた問題を解き直してください。
もし2冊で合計60問2度目で間違えたとしたら、1日2問ずつ解けば1ヶ月で1周できるのでそこまで負担にはならないと思います。
また問題を解くときは必ず図と物体に働く力などの情報をノートに書きながら解くようにしましょう。
使用期間
1冊5週間で一通り終わって、2冊終わったら最後に3週間で別冊問題を改めて解きます。
だから合計で13週間=3ヶ月でほぼ完璧になります。
これは物理の勉強時間を1日2時間で計算しているので、仮に4時間できる人は1ヶ月半で終わります。
逆に1日1時間しかできないと半年かかってしまいます。
なぜ1日2時間で計算しているかというと、この参考書を使う段階というのは受験勉強の早い段階なので1日に6時間程度しか勉強時間を確保できないと考えているからです。
英語数学物理で2時間ずつという計算です。
理科2科目を必要とする大学(早慶や医学部、旧帝大などの上位国公立)は初めから8時間程度確保しないといけない、という意味でもあります。
偏差値55、共通テストやセンター試験を解いて70%前後の人
基礎問題精講
・やるべき人:偏差値55、共通テストやセンター試験を解いて70%前後の人
・習得すると:偏差値60〜63、共通テスト80〜85%→GMARCH、関関同立、埼玉大学、新潟大学、信州大学、静岡大学、滋賀大学など。
・習得目標 :演習問題などを含めて9割以上の問題をヒントなしで解ける。
この参考書の基本情報
・問題数 :150問程度(必修基礎問と実戦基礎問が105問、演習問題や考察問題が45問程度)
・ページ数:296ページ
使い方
偏差値がなかなか60を超えたい人や、共通テストレベルの問題で80%を超えたい人におすすめの参考書です。
この参考書はまず問題を読んでどういう状況かを理解して、その後すぐに解答を読みます!
これを2週間に3周します。
え?解答考えなくていいの?すぐ読んじゃうの?って思うかもしれませんが、そうです、読むんです。
宇宙一わかりやすいシリーズと同じですがもう1度解説します。
問題を理解したあと解説をすぐ読む!
なぜ解答をすぐ見てしまうのかというと、短期間に何度も同じ情報に触れることになり長期記憶に定着しやすくなります。
医師が執筆している勉強についての本で「アウトプット大全」というものがありますが、そこに2週間に3回以上使った情報は長期記憶に保存されるとあります。
またいきなり問題を解いても考える時間や思い出す時間が多くなっていしまい非効率な時間の使い方になります。
この2つの理由からまずは読むことに徹し、回転数を増やします。
一応書いておくと、150問あって2週間で3周するので1日に32問見ることになります。
普通の感覚では多過ぎると思いますが、読むだけでいいので大丈夫です。安心してください。
だいたい1問4分で読んでいけば2時間で終わります。
これが終わるとこの参考書の全体像が見えてきます。
どの問題もなんとなくわかる状態になるので、これから始める問題演習を爆速で進めることができます。
ではどのように進めていくかというと単純で、問題文だけを見て解答を作り出すということを1日で6〜8問します。
要するに1日6〜8問の問題を解くってことです。
1問にかける時間は15分程度と決めて、思い出せなくて考え込んでしまったりして15分を超えてしまいそうな時には、さっさと解答を読んで次に進みましょう。
目安としては解き始めてから10分たっても解答までの道筋を立てられていなければ、解答を見てしまいましょう。
1つの問題の中に(1)〜(3)あるとしたら、(3)までの全ての解法が思いついていなければ、解答を見てしまうということです。
思い出そうとすることは大事ですが、それは入試問題や応用問題を解くときだけいいです。
基礎問題精講の問題は基本的には「大学受験において物理の問題はこんなものが出るよ」というパターンを教えてくれているだけなので、そこに思考は必要ありません。
それぞれの問題に対する解答の導き方を暗記するだけです。
もちろん「磁場がZ軸正の向きに働いているから力は左向きに働くな」とか「加速しているから運動方程式を使うはずだからma=F使う」などと考えることは大事です。
ただ注意しなければいけないことは、ただ読むだけでは暗記できないと思うので解答を見て理解したらまた問題文に戻って解答までの道筋を説明できるか自分の言葉で説明していきます。
書いてはいけません。言葉で説明してみるのです。
例えば「粗い斜面に質量Mの物体が乗っていて、動いてるときの加速度を求めよ。」という問題なら、
「まず物体にかかる力を書き出して、斜面方向に対する運動方程式を書く。かかる力は斜面方向の物体の重力と斜面と垂直方向に垂直抗力、あとは粗い斜面だから摩擦が働いていて、この物体は動いているから動摩擦係数を使うんだな。そうするとMa=、、、でa=に直すと、、、、」という風に言葉で説明します。
こうすることで短時間でアウトプットができるのでただ読むよりも記憶に残りやすく、書くよりも短時間で行うことができます。
ですから1問の時間を15分と決めて、その時間を超えそうなら解答を見て暗記しようとする、というやり方が最適です。
このように進めていって全ての問題を問題文だけを見て15分以内で解答することができる。がゴールになります。
また3周連続で自信を持って正答した問題は次の周回以降では飛ばして構いません。
おそらくそれ以降何回やっても正答できるからです。
できる問題を繰り返しても時間の無駄なので、自信を持って解答できない問題や間違えてしまった問題に時間を使いましょう。
また問題を解くときは必ず図と物体に働く力などの情報をノートに書きながら解くようにしましょう。
使用期間
初めの読みに徹する期間が3週間。
1問15分でひたすら周回するのが、僕の感覚ですが5回〜7回すればほぼ全ての問題を解くことができるようになるので、150問÷8(1日に解く問題数)×5〜7(周回の回数)=93〜131日。
もし7回繰り返しても15分以内に正しい解答を作れない問題が2割以上(30問以上)あるようであれば、さらに多くの回数をこなす必要があります。
足して、1日2時間物理にかけるとして、4ヶ月程度で完璧になります。
実際は3周連続で正答できる問題は排除していくので、3ヶ月〜3ヶ月半程度だと思います。
これで偏差値は65弱に到達します。
物理を初めからやる人でも、宇宙一と基礎問題精講をやれば偏差値65弱、共通テスト80%以上が得点できるようになるので、7ヶ月毎日2時間以上物理の勉強をすればこの成績に達することができます。
偏差値60〜63、共通テスト80〜85%の人
名門の森
・やるべき人:偏差値60〜63、共通テスト80〜85%の人、早慶や医学部や旧帝大を目指している人。
・習得すると:偏差値70〜、共通テスト90%〜100%→基本的にはどの大学でも困らない実力がつく。
・習得目標 :全ての問題を9割以上ヒントなしで解ける。
この参考書の基本情報
・問題数 :140問ー力学熱波動Ⅰが73問(重要問題36問)、波動2電磁気原子が67問(重要問題35問)
・ページ数:力学熱波動Ⅰが224ページ、波動2電磁気原子が223ページ
ここまでに紹介した参考書を終えて、さらに偏差値を上げたい人におすすめするのが名門の森です。
この参考書も全て解ける状態にするのが理想ですが、なかなかそこまでの時間は無いと思います。
ですのでまずはどこの大学でも必ず出ると言っていいほど高頻度で出題される、力学と電磁気のみをするのがいいと思います。
習得する順番は力学電磁気の重要問題→それ以外の重要問題→力学電磁気の非重要問題以外→それ以外の非重要問題
もしさらに難しい問題を解けるようになる必要がある場合は他の問題もトライしましょう。
参考書で手をつけない分野があるのは気持ち悪いというか、もったいないと思うかも知れませんが、第一志望に落ちることや浪人をすることを考えると1冊1000円程度の参考書でもったいないと思うことはないです。
また名門の森は特に重要な問題に印をつけています。
なのでまずはその重要のものから習得していきましょう。
自分がどこまで習得すべきかは大学別勉強法で確認してください。
使い方
具体的な使用方法について書いていきます。
まずは結論から言います。
「3周読む→5〜7回解く→月に1回以上復習する。」
を力学電磁気の重要問題→波動熱原子の重要問題→力学電磁気の非重要問題以外→波動熱原子の非重要問題の順でやっていく
基本的な進め方は基礎問題精講と同じです。
まずは自分がどの問題まで習得するかを大学別勉強法で確認してください。
やる問題を確認した後その問題を読みます。
問題を読んで理解したあと、すぐに解説を読みます。
解かないでください。これが大事です。
そして解説を理解してください。
それを自分が解くべき問題に対して順番にこなしていきます。
だいたい1問5分〜10分で終わらせるくらいのスピードでやっていきましょう。
これを2週間以内に3周したいので力学と電磁気の重要問題(45問)をまず習得していきます。
なぜ2週間以内に3周するかというと、医師が執筆している勉強についての本で「アウトプット大全」というものがあり、そこに2週間に3回以上使った情報は長期記憶に保存されるとあるからです。
次にその46問をテストしていきます。
3周も確認しているので解ける問題もあると思いますが、細かい立式や計算を間違えてしまうと思います。
しかしそれでいいんです。
解きながら記憶をより強固にし、細かい知識は手を動かしながら覚えていきます。
1問10分〜20分で解いて丸付けをして正しい解答を確認し理解します。
これを5〜7周します。
周回するときに連続で3周正答した問題はこれ以降飛ばしてやらなくていいです。
その問題は何回やっても正解するので、何回も解ける問題を解いても時間の無駄になってしまいます。
最初にやった力学と電磁気は次に進んでも忘れないように月に1回以上は復習する
この周回の回数は目安で、実際には問題の8割以上を完答できるようになれば次のステップにいきます。
これからは同じことの繰り返しで、次は波動熱原子の重要問題26問を力学と電磁気の重要問題をやった期間の60%の期間でこなしていきます。
それが終わったら次は力学と電磁気の重要問題以外をやって、その次は残った問題をしていきます。
使用期間
・力学電磁気の重要問題(45問)
2週間(読み3周)+4週間(5周解く)=6週間
・波動熱原子の重要問題(26問)
9日(読み3周)+17日(5周解く)=26日
・力学電磁気の非重要問題以外(42問)
2週間(読み3周)+4週間(5周解く)=6週間
・波動熱原子の非重要問題(27問)
9日(読み3周)+17日(5周解く)=26日
合計136日=4ヶ月と2週間で完成する計算になっています。
自分が目指しているレベルの参考書が終わった人(過去問演習)
自分が目指すレベルの参考書が終わった人はより上のレベルの参考書に挑戦するよりも先に過去問演習に入りましょう。
まれに物理だけとても難しく、より高いレベルの参考書まで習得しないと合格最低点の割合まで届かない場合もあります。
例を出すと4科目各100点満点の400点満点で合格最低点が240点だったら、全ての科目で60%を得点できれば合格することができます。
しかし物理が異常に難しく50%しか取れない、という大学がたまにあります。
このような状態の時にほとんどの人は焦ってもっと難しい参考書に手をつけようとします。
でもこの記事を読んでくれている君はそんなことをしないでください。
そういう時は他の科目で十分な学力を付けて、それぞれの科目で過去問を解いてみてください。
ほとんどの場合で数学が簡単とか英語が簡単とかであったりします。
物理では50%しか得点できないけど数学と英語は簡単で70%近く得点できる、ということはよくあります。
入試は全ての科目の合計で受かるか落ちるかは決まります。
だから過去問演習は1科目で評価するのではなく、全ての科目を解いてそれぞれの科目の難易度やどの科目をより勉強すべきか、などを評価してください。
それでは具体的にどのように過去問演習を進めていくか書いていきます。
志望大学の他学部や併願校も含めて3〜5校受験すると思います。
第一志望の学部は5年分、その他併願大学や学部は3年分ほど解けるといいです。
もちろん受験までの日数や1日の勉強時間で何年分解けるかは変わっていきますが、多くの人におすすめなのは合計で10年分以上を解くことです。
4科目の大学でもテスト時間の合計は6時間はかからないと思うので、1年分は1日で解答の確認まで含めて完了できます。
入試の2〜3ヶ月前から週に2日程度過去問演習の日を設けましょう。
過去問演習の日の流れ
そしてその2日は過去問演習のみに徹して、次同じ問題が出たら解けるようにわかるまで繰り返しインプットやアウトプットをしてください。
ただ解いて丸付けをするだけでなく、間違えた問題や迷った問題の原因をしっかりと考えて、それを日々の勉強に生かしてください。
加えて習得した参考書と比べて、参考書を見ながらなら解けた問題が何問あるかを確認して、だいたい何点くらい上がるのかを計算してください。
そのギャップを埋めるように意識することで習得してきた参考書の完成度が上がり、結果合格可能性も上昇します。
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